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【2026年】じゃがいもをAIで自動カウント!SAM 2 + YOLO11 nanoで作る低コスト農家向け計数システム
ローカルAI·1分で読了
#YOLO11#SAM 2#じゃがいも計数#物体検出#農業AI#ローカルAI

この記事のまとめ

「収穫したじゃがいも、ひとつずつ数えるの大変…」

【2026年】じゃがいもをAIで自動カウント!SAM 2 + YOLO11 nanoで作る低コスト農家向け計数システム


「収穫したじゃがいも、ひとつずつ数えるの大変…」 「コンベアに流れる農産物を自動で数えられたら、出荷作業がどれだけ楽になるだろう」

そんな悩みを解決する、2026年に話題になったAIプロジェクトがあります。アノテーションたった1枚で、コンベアベルト上のじゃがいもをリアルタイム計数できるシステムです。LLM(大規模言語モデル)でもロボットでもない、地味だけど現場で本当に使える ローカルAIの代表例として、Xで1,700以上のいいねを集めました。

この記事では、このシステムの仕組みと、農家・食品加工現場での活用方法を初心者向けに解説します。


この記事でわかること

  • じゃがいも自動計数システムが「なぜすごいのか」
  • SAM 2 と YOLO11 nano の役割
  • GitHub のコードの内容と動かし方
  • 農家・食品加工での具体的な活用アイデア
  • 導入するときの注意点

何がすごいのか:アノテーション1枚で実用レベル

通常、AIの物体検出モデルを学習させるには、数百〜数千枚の画像に手動でラベル付けが必要です。これは現場導入の最大のハードルでした。

このプロジェクトがすごいのは、その工程を劇的に短縮したことです。

  • アノテーションはたった1フレーム
  • SAM 2(Metaが開発したセグメンテーションモデル)でラベルを自動生成
  • YOLO11 nano(超軽量モデル)で学習
  • 学習したモデルが動画全体で動作し、リアルタイム計数が可能
  • 実運用レベル(production ready)

「全員が兆パラメータモデルを追いかける中、製造・農業現場で最も速く勝つのはこんなシステムだ」というのが、この話題が広がった時の評価です。まさにその通りで、小さい・速い・安い が現場導入の鍵になります。


技術の仕組み:SAM 2 → YOLO11 nano の2段構え

SAM 2 の役割(ラベル自動生成)

SAM 2 は、Metaが公開した画像・動画セグメンテーションモデルです。画像上の対象物をクリックするだけで、その物体の形を正確に切り抜けます。

このシステムでは、動画から切り出した1フレームだけをSAM 2で処理し、じゃがいもの形を自動抽出 → 学習用のラベルデータを生成します。これで「アノテーション1枚」が実現しています。

YOLO11 nano の役割(検出・計数)

YOLOは物体検出の定番モデルファミリーで、YOLO11 nano はその中でも最も軽量なモデルです。通常のGPUがなくても動作するほど小さく、エッジデバイス(Raspberry PiやJetsonクラス)での実行に適しています。

このシステムでは、YOLO11 nano でじゃがいもを検出し、Ultralytics の ObjectCounter 機能と ポリゴンゾーントラッキング で「ゾーンを通過した数をカウント」します。

処理の流れ

ステップ処理内容
1. フレーム抽出コンベア動画から1フレームを取り出す
2. SAM 2 でラベル生成じゃがいもの形を自動抽出してアノテーションデータ化
3. YOLO11 nano で学習数十分程度で学習完了(50エポック・画像サイズ1280px)
4. ポリゴンゾーン設定計数したい領域を多角形で指定(Roboflow PolygonZoneで簡単設定)
5. リアルタイム計数コンベア上のじゃがいもを通過数として自動カウント

GitHub のコードの中身

このプロジェクトは GitHub で公開されています。

リポジトリの構成はシンプルで、ファイルは3つだけです。

dataset.py:データセット結合

複数のデータセット(Google Driveで公開)を読み込み、じゃがいも以外のラベルを除去して、YOLO形式の学習データに整形します。じゃがいもだけを抽出してクラスIDを0に統一する処理が入っています。

train.py:学習スクリプト

YOLO11 nano(yolo11n.pt)を学習させます。設定は以下の通りです。

パラメータ
モデルYOLO11 nano (yolo11n.pt)
エポック数50
バッチサイズ4
画像サイズ1280px
学習率1e-3(コサイン減衰)

main.py:計数アプリ本体

動画を読み込み、ObjectCounter でじゃがいもを検出・追跡しながら、指定したポリゴン領域の通過数をカウントします。トラッカーは「botsort.yaml」か「bytetrack.yaml」を選択でき、出力は object_counting_output.avi に保存されます。

実際の動作画面では、じゃがいも1個1個に青いバウンディングボックスと「potato」ラベルが付き、右上に「Potato: IN 73 OUT 70」のように通過数がリアルタイム表示されます。


セットアップ手順(簡単4ステップ)

必要なもの

項目内容
PCLinux(Ubuntu 22.04以降)・Python 3.10以上
ライブラリPyTorch 2.6、TensorFlow 2.19、OpenCV 4.11、Ultralytics 8.3.111
カメラ固定カメラ(Webカメラでも可)
動画コンベアを撮影した動画1本

手順

  1. リポジトリをクローン: git clone https://github.com/NguyenHoangMinh1312/potato_counting
  2. データセット準備: Google Driveからデータセットをダウンロードして python dataset.py を実行
  3. 学習: python train.py でYOLO11 nanoを学習
  4. 計数実行: main.py のポリゴン座標とモデルパスを自分の環境に合わせて python main.py

ポリゴン領域(どこを通過したらカウントするか)は、Roboflow PolygonZone にフレーム画像をアップロードして、領域を描くだけで座標リストを取得できます。


農家・食品加工での活用アイデア

このシステムの価値は「じゃがいも計数」だけではありません。同じ仕組みで、様々な農産物の自動計数・選別が可能です。

具体的な活用例

用途内容
収穫物の計数じゃがいも・玉ねぎ・人参などをコンベア上で自動カウント
出荷数の正確な把握手作業カウントのミスをゼロに。箱詰め数と照合も可能
サイズ選別の補助検出枠の大きさからサイズの大まかな分類も可能
品質管理傷・変色の検出も、学習データを増やせば対応できる

なぜ農家に合うのか

  1. 低コスト: エッジデバイス(Raspberry Pi / Jetson級)で動作する軽量モデル。専用の数百万円マシンは不要
  2. 少ないデータで始められる: 1フレーム+SAM 2の自動ラベルで学習データを作れる
  3. 既存設備に後付け可能: コンベアにカメラを1台設置するだけ
  4. カスタマイズ自由: じゃがいも→他の農産物に置き換え可能(学習データを作り直すだけ)

注意点・課題

正直なところ、導入前に知っておくべき点もあります。

  • 固定カメラ専用: カメラの角度や位置が変わると、ポリゴン領域とモデルの再設定が必要
  • 照明・速度の影響: コンベアの照明やベルト速度が変わると検出精度が落ちることがある
  • 完全な0枚からの学習ではない: 「1フレームのアノテーション」はすごいですが、動画全体から学習データを生成する工程は必要
  • 重なり合うじゃがいも: コンベア上でじゃがいもが重なると、検出が1個とみなされるケースがある
  • 開発は個人プロジェクト: 本番導入の際は、自社の環境に合わせた調整とテストが必要

まとめ

じゃがいも自動計数システムは、小さく・速く・安く が現場導入の鍵であることを示す好例です。

  • SAM 2 でアノテーションを自動化し、学習コストを激減
  • YOLO11 nano という超軽量モデルで、エッジデバイスでもリアルタイム計数
  • コードは GitHub で公開されており、農家でも試せる
  • じゃがいも以外の農産物にも応用可能

「AIは大規模データと巨大モデルが必要」というイメージを持っている人こそ、この記事を読んで、1枚の画像から始められるローカルAIの可能性を感じてほしいです。

あなたの農場のコンベアにカメラを1台。それだけで、作業が大きく変わるかもしれません。