
この記事のまとめ
「プロンプトを書くな。ループをデザインしろ。」
「プロンプトを書くな。ループをデザインしろ。」
2026年、コーディングエージェントの世界で最もホットなトピックが「ループエンジニアリング」です。
2026年6月30日、AnthropicのClaude Codeチーム(Delba de Oliveira & Michael Segner)が公式ブログで公開した 「Getting started with loops」 は瞬時にバズり、216万再生・1万いいね・2.2万ブックマークを記録しました。
この記事では、Anthropicが定義する4つのループタイプと、その実践的な使い方を完全解説します。
「ループ」とは何か?
Claude Codeチームはループをこう定義します:
エージェントが停止条件を満たすまで作業サイクルを繰り返すこと
簡単に言えば、「AIに1ステップずつ指示を出す」のではなく、「目標と停止条件を設定して自律実行させる」設計パターンです。
ループは以下の4軸で分類されます:
- どうやってトリガーされるか
- どうやって停止するか
- どのClaude Codeプリミティブを使うか
- どのタスクに最適か
ループタイプ1:Turn-based(ターンベース)
最も基本的なループ。今まで通りの「プロンプト」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トリガー | ユーザーの手動プロンプト |
| 停止条件 | Claudeが「タスク完了」または「追加情報が必要」と判断 |
| 最適なタスク | 短いタスク、定期プロセスではない作業 |
| コスト管理 | スキルによる検証の自動化でターン数を削減 |
実践イメージ
Claudeに「いいねボタンを作って」と頼むと、Claudeはコードを読み、編集し、テストを実行し、動作するものを返します。あなたが手動で確認し、次のプロンプトを書く — これがターンベースループです。
改善方法:SKILL.mdで検証を自動化
手動でやっていた確認ステップを SKILL.md にエンコードすることで、Claudeが自己検証できるようになります。
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name: verify-frontend-change
description: UI変更をエンドツーエンドで検証する
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# フロントエンド変更の検証
編集が成功しただけでは完了と報告するな。人間のレビュアーと同じように検証しろ:
1. 開発サーバーを起動し、編集したページをブラウザで開け
2. 変更箇所を直接操作しろ。新しいコントロール(ボタン・入力・トグル)は:
クリックして状態変化を確認し、before/afterをスクリーンショットしろ
3. ブラウザコンソールを確認:新しいエラーや警告がゼロであること
4. Chrome DevTools MCPを使ってパフォーマンストレースを実行し、
Core Web Vitalsを監査しろ
いずれかのステップが失敗したら修正してステップ1から再実行しろ。
部分的な検証結果は返すな。
定量化可能なチェック項目を増やすほど、Claudeの自己検証精度は向上します。
ループタイプ2:Goal-based(ゴールベース)— /goal
「何をもって完了とするか」を定義して、Claudeに自律反復させるループです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トリガー | リアルタイムの手動プロンプト |
| 停止条件 | 目標達成 OR 最大ターン数到達 |
| 最適なタスク | 検証可能な終了条件があるタスク |
| コスト管理 | 明確な完了条件とターン上限を設定 |
使い方
/goal ホームページのLighthouseスコアを90以上にしろ。5回試行してダメなら停止しろ。
なぜGoal-basedが強力なのか?
通常のターンベースでは、Claudeが「できた」と判断して終了します。しかしGoal-basedでは、評価用モデルが別途あなたの条件をチェックし、満たしていなければClaudeを再実行させます。
決定論的な基準(テスト通過数・スコア閾値など)を設定するほど効果的です。
ループタイプ3:Time-based(タイムベース)— /loop / /schedule
「定期的に実行する」ループ。定型的な反復作業に最適です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トリガー | 指定した時間間隔 |
| 停止条件 | ユーザーがキャンセル、または作業完了(PRマージ・キュー空など) |
| 最適なタスク | 定期作業、外部システムとの連携 |
| コスト管理 | 間隔を長めに設定、時間ベースよりイベントベースを優先 |
2つの実行方法
/loop(ローカル実行):
/loop 5m マイPRをチェックしろ。レビューコメントに対応し、落ちてるCIを直せ。
/loopはあなたのマシンで動くので、PCを切ると止まります。
/schedule(クラウド実行):
/schedule 毎朝9時 Slackのメッセージを要約して報告しろ
/scheduleはルーチンをクラウドに移行するので、PCをオフにしても動き続けます。
ループタイプ4:Proactive(プロアクティブ)
完全自律型ループ。人間がリアルタイムで関与しません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| トリガー | イベント or スケジュール(人間は非リアルタイム) |
| 停止条件 | 各タスクは目標達成で終了。ルーチン自体はオフにするまで継続 |
| 最適なタスク | バグ報告・issue トリアージ・移行・依存関係アップグレードなどの定期作業 |
| コスト管理 | 小さなタスクは高速モデルにルーティング。判断のみ高性能モデルを使用 |
実践構成例:フィードバックループ
/schedule every hour: #project-feedbackのバグ報告をチェックしろ。
/goal: この実行で見つかった全報告がトリアージ・対応・返信済みになるまで停止するな。
バグ修正時は3つの並列ワークツリーで探索し、レビュアーAIに adversarially review させろ。
構成要素:
/schedule— 新しい報告を定期的にチェック/goal— 完了条件の定義- 動的ワークフロー — 各報告のトリアージ・修正・レビューをオーケストレーション
- Autoモード — 毎回確認を求めずに自律実行
コード品質を維持する5つの原則
ループの出力品質は、それを取り巻くシステム設計に依存します。
1. コードベース自体をクリーンに保つ
Claudeは既存のパターンや規約に従います。乱れたコードベースは乱れたアウトプットを生みます。
2. 自己検証手段を与える
SKILL.mdに「何が良い状態か」をエンコードし、Claudeが自分で確認できるようにします。
3. ドキュメントを到達しやすく
フレームワークやライブラリのドキュメントを最新に保ち、Claudeが参照できるようにします。
4. 第2のエージェントでコードレビュー
新しいコンテキストを持つレビュアーは、主エージェントの推論に影響されず、より公平なレビューができます。Claude Codeに組み込みの /code-review や GitHub連携を活用しましょう。
5. 個別修正ではなくシステム改善
標準に満たない結果があった場合、その個別Issueを修正するだけでなく、将来のすべてのイテレーションに反映されるようシステムにエンコードします。
トークン使用量を管理する5つの方法
1. 適切なプリミティブとモデルを選ぶ
小さなタスクに複数のエージェントやループは不要です。安くて速いモデルで十分なタスクもあります。
2. 明確な成功条件と停止条件を定義する
「完了」を具体的に定義することで、Claudeはより早く(ただし早すぎず)解に到達できます。
3. 大規模実行前にパイロットする
動的ワークフローは数百のエージェントを起動できます。まずは小さなスライスで使用量を把握しましょう。
4. 決定論的作業はスクリプトを使う
スクリプトを実行する方が、毎回手順を推論するより遥かに安上がりです。
5. /usage で使用量を監視する
/usage— スキル・サブエージェント・MCP別の使用量内訳/goal(引数なし) — ターン数とトークン使用量/workflows— 各エージェントのトークン使用量。任意のエージェントを停止可能
4つのループ比較まとめ
| ループ | あなたが委ねるもの | 使うタイミング | 使うもの |
|---|---|---|---|
| Turn-based | 検証 | 探索・判断中 | カスタム検証スキル |
| Goal-based | 停止条件 | 完了条件が明確 | /goal |
| Time-based | トリガー | 外部で定期発生する作業 | /loop, /schedule |
| Proactive | プロンプト自体 | 繰り返し発生する定型作業 | 上記すべて + 動的ワークフロー |
今すぐ始めるための3ステップ
- あなたがボトルネックになっている作業を1つ選べ
- 以下の問いを自問せよ:
- 検証条件を書けるか?(→ Goal-based)
- 目標は明確か?(→ Goal-based)
- 作業は定期的に発生するか?(→ Time-based / Proactive)
- ループを実行し、結果を観察し、反復せよ
まとめ:Anthropicが示す「プロンプトの先」
この記事でAnthropicが伝えたかったことは明確です。
「プロンプトをより良く書く」の先に、「ループをデザインする」という新しいパラダイムがある。
4つのループを使い分ければ、あなたはコーディングエージェントのオペレーターからアーキテクトへと進化できます。
👉 公式記事: Getting started with loops 👉 Claude Code Docs: Claude Code documentation 👉 著者: Delba de Oliveira & Michael Segner(Anthropic Claude Code Team) 👉 元のXポスト(@ClaudeDevs): Getting started with loops
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