
この記事のまとめ
import SimpleTable from '@/components/SimpleTable'
【2026年】Asimov 1完全ガイド!\u200B$15,000のオープンソース人型ロボットDIYキットを購入・組立・設定まで徹底解説
2026-07-03 | ガジェット
「自分で人間型ロボットをゼロから組み立てたい」—— そんな夢、一度は考えたことがあるだろう。
シンガポールのMenlo Researchが開発するAsimov 1は、まさにその夢を現実にするプロジェクトだ。完全オープンソースのヒューマノイドロボットで、CADデータも基板設計もソフトウェアも全部公開されている。そして何よりDIYキットとして購入できる($15,000 / 約240万円)。
この記事では、Asimov 1の購入方法から、組み立てに必要なスキル・ツール、設定・運用まで、初心者にもわかるようにまとめた。
この記事でわかること
- Asimov 1がどんなロボットなのか(スペック・特徴)
- Unitree G1/R1との違い(どっちを買うべき?)
- DIYキットの購入方法($499デポジットの流れ)
- バッチシステムとは何か(10人単位で組む意味)
- 組み立てに必要なスキル・ツール・時間(50〜100時間)
- 届いてからのセットアップ手順
- セルフソース(自分で部品調達)する方法
- Menlo Researchのエコシステム(シミュレーション・AI連携)
Asimov 1とは?「リファレンスヒューマノイド」という考え方
Asimov 1は、完成品として売られているロボットではない。「リファレンスデザイン」としてのヒューマノイドロボットだ。
Asimov社(@asimovinc)の言葉を借りれば:
Asimov 1はUnitree R1の競合ではない。全く別の動物だ。 我々はAsimovをリファレンスヒューマノイドとして作った。 オープンソースで、オープンBOM(部品表)で、完全な修理権がある。 改造も、カスタマイズも、改良もできる。 業界がその上に構築していく出発点だ。
つまり:
- Unitree G1/R1 → 「完成品」を買って動かす(箱から出してすぐ使える)
- Asimov 1 → 「設計図+部品」を買って自分で組み立てる(自由に改造できる)
| 比較項目 | Asimov 1 | Unitree G1 |
|---|---|---|
| 価格 | 約$15,000(DIYキット) | 約$16,000(完成品) |
| 身長 | 120cm | 127cm |
| 体重 | 35kg | 35kg |
| 自由度 | 25+2 DOF | 23 DOF |
| オープンソース | 完全OSS(CAD・基板・ソフトすべて) | 一部のみ |
| 組立 | 必要(50〜100時間) | 不要(完成品) |
| 改造の自由 | 完全自由 | 制限あり |
| 修理 | 自分で可能(図面あり) | メーカー依存 |
| バッチ制 | 10人単位で同時組立 | なし |
どっちを選ぶべきか?
- 「とにかくロボットを動かしたい」→ Unitree G1/R1(完成品)
- 「ロボットの中身をすべて理解したい」「改造したい」→ Asimov 1(DIYキット)
- 「研究・教育・開発プラットフォームが欲しい」→ Asimov 1(OSS + シミュレーション完備)
コアスペック詳細
Asimov 1の公式スペックは以下の通り。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 身長 | 123cm |
| 体重 | 35kg |
| 自由度(DOF) | 25アクチュエータ + 2パッシブ |
| 脚部 | 6 DOF x 2 + つま先 x 2 |
| 腕部 | 5 DOF x 2(肩ピッチ/ロール/ヨー、肘、手首ヨー) |
| 胴体 | 1 DOF腰ヨー、10W 4Ωスピーカー、6軸IMU |
| 頭部 | 2 DOF首(ヨー・ピッチ)、4マイクアレイ、2MP単眼カメラ |
| ピークトルク | 120 Nm |
| CANバス | 5 x 1Mbps + 1 x 500kbps |
| 搭載コンピュータ | Raspberry Pi 5(メディア・ネットワーク)+ Radxa CM5(モーション制御) |
| 構造材料 | CNC削り出し7075アルミ + MJF PA12ナイロン3Dプリント |
| ライセンス | CERN-OHL-S-2.0(オープンハードウェア) |
想定される負荷(強度テスト)
| 動作 | 負荷 |
|---|---|
| スクワット | 5kg |
| バイセップカール | 片腕15kg |
| ラテラルレイズ | 片腕18kg |
購入方法:DIYキットの予約手順
Asimov 1を買うには、**「Here Be Dragons Edition」**というDIYキットを予約する。
ステップ1:公式サイトでデポジットを支払う
- asimov.inc/diy-kit にアクセス
- 「PRE-ORDER $499 DEPOSIT」ボタンをクリック
- $499(約8万円)のデポジットを支払う
- 残金(約$14,501)は出荷前に支払い
注意:デポジットは全額リファンド不可ではない(出荷前ならキャンセル可能か要確認)
ステップ2:バッチにアサインされる
Asimov 1の予約でユニークなのがバッチシステム。予約者が10人集まるごとに1つのバッチが形成され、同時に出荷・組立が行われる。
バッチ制のメリット:
- 同時に組み立てる仲間がいる(同じバッチの10人とDiscordで繋がる)
- 同じ壁にぶつかって、一緒に解決する
- ライブ配信でデバッグ(Menlo Researchチームも参加)
- バッチメイトがその後の開発仲間になる
「Here be Dragons」という名前の通り、誰もやったことのない挑戦を、一人じゃなく10人+開発チームで立ち向かう仕組みだ。
ステップ3:出荷を待つ(2026年夏〜)
初回バッチの出荷は**2026年夏(8〜9月ごろ)**を目標に進んでいる。予約開始から約30日で$1M近いデポジットが集まったというから、需要はかなり高い。
価格の内訳
Asimov 1の目標価格は$15,000。これは利益を乗せず、原価での提供を目指している。
| カテゴリ | コスト | 内訳 |
|---|---|---|
| ボディ(構造+アクチュエータ) | $14,000 | アクチュエータ(少量)$7,000 / シャーシ&外装 $7,000 |
| 基板&エレクトロニクス | $818 | エッジPC・モーション制御基板・ネットワーク・電源分配 |
| バッテリー&認証 | $830 | バッテリー$170 + 認証費用$660 |
| パッケージ&周辺 | 未定 | スペアパーツ・説明書・配送 |
ちなみに、自分で部品を調達(セルフソース)する場合のBOMコストは約$16,000。キットの方が$1,000ほど安い(ボリュームディスカウント効果)。
キットの中身:何が入っているか
Asimov 1 DIYキットに含まれるもの・含まれないものを整理する。
| カテゴリ | 含まれる | 含まれない |
|---|---|---|
| ハードウェア | 全BOM部品(未組立)、電源&ケーブル類、スペアパーツ | 工具、作業用手袋 |
| コンピュータ | エッジボード(Raspberry Pi 5)、モーション制御ボード(Radxa CM5)、ネットワークボード、電源分配ボード | 4G/5Gモジュール |
| センサー | 単眼カメラ、IMU、マイクアレイ、スピーカー、モーター関節状態 | Lidar、360度カメラなどの高級センサー |
| 安全機能 | バッテリー、無線E-Stop、安全ガイドライン | — |
| ドキュメント | クイックスタートガイド、マニュアル、DIY動画 | — |
| ハンド(手) | なし(未実装) | 現時点では非対応 |
重要なポイント:Asimov 1にはHands(手)が含まれていない。現時点では脚・胴体・腕までの構成で、器用なマニピュレーションは今後のアップデート待ち。コミュニティで自作することも可能。
組み立てに必要なもの
必要なスキル
Menlo Researchは正直に言っている:「Asimov 1の組立は車の整備に近い複雑さ。週末プロジェクトではありません。」
- 機械的知識:ネジのトルク管理、公差の理解、CNC/3Dプリント部品の取り扱い
- 電気的知識:CANバスの配線、電源管理、モータードライバの設定
- ソフトウェア知識:ROS 2、Python、Linux(Raspberry Pi / Radxaのセットアップ)
「自宅で車のオイル交換をやったことがある」レベルなら問題なく始められる。まったくの初心者にはかなりハードルが高いのが正直なところ。
必要な工具
キットには工具は含まれていない。以下のものを自分で用意する必要がある:
- 六角レンチセット(メトリック)
- トルクレンチ(規定トルクで締めるため)
- プラスドライバー各種
- ニッパー・ワイヤーストリッパー
- マルチメータ(電気的な確認用)
- 静電気対策作業マット(推奨)
- PC(Ubuntu推奨、ROS 2環境構築用)
組み立て時間
50〜100時間が目安。最初のマイルストーンは「歩行」ではなく「安全に電源を入れられるところまで」。そこから調整・ソフトウェアセットアップを経て、実際に動かせるようになるまでさらに時間がかかる。
Menlo Researchの推奨スケジュール:
- 機械的な組立:部品を組み立て、トルク管理しながらボディを構成(30〜50時間)
- 電気配線:CANバス・電源・センサーの配線(10〜20時間)
- 検証:通電チェック、E-Stop動作確認、各モーターの応答確認(5〜10時間)
- ソフトウェアセットアップ:ROS 2、ファームウェア、シミュレーション環境(5〜20時間)
セットアップ手順(ソフトウェア編)
本体の組立が終わったら、次はソフトウェアの設定。
1. GitHubからリポジトリをクローン
git clone https://github.com/asimovinc/asimov-1.git
cd asimov-1
2. シミュレーション環境の構築
Asimov 1はMuJoCoベースの物理シミュレーションに対応。実際のロボットを動かす前に、シミュレーション上で歩行ポリシーをトレーニングできる。
# シミュレーションモデルは sim-model/ ディレクトリに格納
cd sim-model
# MuJoCoのセットアップ(Python)
pip install mujoco
python -c "import mujoco; print('MuJoCo ready')"
3. ROS 2環境のセットアップ
Asimov 1の制御はROS 2ベース。以下のセットアップが必要:
# ROS 2 Humble または最新版をインストール
sudo apt install ros-humble-desktop
# Asimov 1のROS 2パッケージをビルド
cd ~/ros2_ws
colcon build --packages-select asimov_bringup
source install/setup.bash
4. 初回起動(電源投入)
重要:初回の電源投入は必ずE-Stopが接続された状態で行う。
- バッテリーを接続(またはAC電源)
- Raspberry Pi 5が起動するのを確認
- SSHでRaspberry Piに接続:
ssh pi@asimov.local - モーション制御ボード(Radxa CM5)のファームウェアを確認
- 各モーターのCAN通信を確認:
cansend can0 000# - 1関節ずつ手動で動かして動作確認
5. 歩行ポリシーの適用
Asimov 1には基本的な歩行ポリシーがあらかじめ用意されている:
# 基本的な歩行を開始
ros2 launch asimov_bringup walk.launch.py
ここから先は、強化学習で独自の歩行ポリシーをトレーニングしたり、改造に応じてパラメータを調整したりするフェーズに入る。
オープンソースの全容
Asimov 1のGitHubリポジトリ(github.com/asimovinc/asimov-1)には以下がすべて公開されている:
| ディレクトリ | 内容 |
|---|---|
| mechanical/ | CADデータ(CNC削り出し7075アルミ + MJF PA12ナイロン3Dプリント) |
| electrical/ | Motion Control Board v0.1.4 の設計ファイル、配線図 |
| sim-model/ | MuJoCo物理シミュレーションモデル |
| scripts/ | ビルドスクリプト・ファブリケーション用マニフェスト |
| assets/ | 画像・メディアファイル |
**BOM(部品表)**も公開されており、自分で全部品を調達して一から組み立てることも可能: Asimov 1 BOM
公式ドキュメント:docs.menlo.ai/asimov/1
Menlo Researchエコシステム
Asimov 1の真の価値は、ハードウェアだけではない。Menlo Researchが提供するエコシステム全体が重要だ。
- シミュレーション環境:MuJoCoベースで歩行ポリシーをトレーニング可能
- Menlo Platform:ロボットの知能レイヤー(調整中)
- インテリジェンスレイヤー:LLM連携・AIエージェント統合
- コミュニティ:Discord・フォーラム・バッチシステム
AsimovのCEOが言うように、「我々の賭けはエコシステムにある」のだ。最高のハードウェアを作ることではなく、コミュニティ全体でロボット知能を発展させるプラットフォームを提供することが目標だ。
よくある質問(FAQ)
Q: プログラミング経験がなくても組み立てられますか?
難しいです。50〜100時間の組み立てに加えて、ROS 2・Python・Linuxの基礎知識が必要です。車の整備ができる機械的スキルと、Pythonスクリプトを書けるソフトウェアスキルの両方が求められます。
Q: 日本から購入できますか?
可能です。公式サイトで$499のデポジットを支払えば予約できます。配送先の国については、出荷前にMenlo Researchから案内があります。
Q: 完成品(組み立て済み)は買えますか?
現時点ではDIYキットのみです。Asimov 1は「自分で組み立てる」ことに価値があるプロジェクトです。どうしても完成品が必要なら、Unitree G1/R1を検討してください。
Q: 手(グリッパー)は付属しますか?
いいえ。Asimov 1には現時点でハンドは含まれていません。コミュニティで自作するか、今後のアップデートを待つ必要があります。
Q: どのくらいの広さの作業スペースが必要ですか?
ロボットのサイズは120cmとコンパクトですが、組み立て中は部品を広げるためにテーブル1台分(約2m x 1m) 以上のスペースを推奨します。
Q: バッテリー駆動時間は?
スペック表には明記されていませんが、35kgのロボットに搭載されるバッテリーとしては、標準的な動作で30分〜1時間程度と推測されます。電源に接続しての運用も可能です。
Q: 保証はありますか?
DIYキットのため、一般的な製品のような保証はありません。ただし、バッチコミュニティとMenlo Researchチームのサポートがあります。
まとめ:Asimov 1は誰のためのものか
Asimov 1は万人向けの製品ではない。しかし、以下のいずれかに当てはまるなら、最良の選択肢になる。
- ロボット工学をゼロから完全に理解したい研究者・学生
- ヒューマノイドロボットを自由に改造・カスタマイズしたい開発者
- AIとの統合(LLM・強化学習)を実際のロボットで試したいAIエンジニア
- 大学・研究所で教育用プラットフォームとして使いたい教育者
- Unitreeの壁(修理のしづらさ・改造の制限)に不満があった元ユーザー
一方で:
- 「箱から出してすぐ動かしたい」人には不向き
- ソフトウェア/ハードウェアの両方にある程度慣れている必要がある
- $15,000(約240万円)は個人には高額だが、研究用としては競合より格段に安い
Asimov 1は、「ロボットを買う」ではなく「ロボットを自分のものにする」 体験を提供している。10人単位のバッチで困難を共有しながら、本当の意味で自分だけのヒューマノイドを作り上げる——それがこのプロジェクトの真髄だ。
いますぐチェック
- Asimov 1 公式サイト — スペック・マニュアル・予約
- GitHubリポジトリ — CAD・基板・ソフトウェア全部入り
- 公式ドキュメント — 組み立てガイド・BOM
- Asimov 1 on X — 最新アップデート
※ この記事の情報は2026年7月時点のものです。価格・スペックは変更の可能性があります。この記事にはアフィリエイトリンクを含みません。
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